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ターンバックル技術資料(規格解説)②

5 施工の手順
ターンバックルは支圧接合である為、ターンバックルに適正な張力を導入した後に取付けボルトを締付けなければなりません。

取り付けの際は、 ①取付けボルトの仮止め、②ターンバックルへの張力導入、 ③取付けボルトの締め付け、 の手順で行います。

6 強度について
ターンバックルは耐震部材としての十分な塑性変形性能を保有する必要があることから、 軸部の十分な塑性化を確保するために、 胴、 羽子板およびねじ一部は軸部の耐力を上回らなければなりません。
①炭素鋼製品および溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品は、ターンバックルボルト軸部以外の各部(胴および羽子板各部)の強度が、丸鋼の軸部最小寸法(公差の最小値) を基準とした断面積と軸部引張強さの最小値(400N/mm²)の積を上回るように検討されています。
②ステンレス鋼製品は、軸部引張強さの実態値が600~650N/mm²と高い値となっているため、軸部以外の各接合部の強度が軸部強度を上回るような製品は非現実的な製品となります。

その為、ステンレス鋼製品は、軸部が十分な塑性変形性能を発揮するまでの必要性能を考慮し、各接合部の強度設計がおこなわれています。

このような考えから、ステンレス鋼製品のターンバックルボルトの各接合部強度は、 ステンレス鋼丸鋼素材の引張強さの最小値 (520N/mm²) を上回るように設計されています。

また、ターンバックル胴については、ステンレス鋼素材に引張強さの上限値が規定されていないことから、 ステンレス鋼素材の引張強さの最小値に30N/mm²を加えた値(550N/mm²) に対応する強度以上と設計されています。

 

次回のコラム : ターンバックル技術資料(規格解説)③についてご紹介します。

2021年4月25日 6:00 PM

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