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浪速鉄工株式会社 製造品の歴史(ターンバックルから自在形アイボルト・回転アイボルト)
浪速鉄工株式会社は、1949年の創業(1959年法人設立)以来、半世紀以上にわたってアイボルト、アイナット、ロットボルト、ターンバックルなどの型打ち鍛造品を製造、販売してきました。当社のエアーハンマー(※1)による型打ち鍛造品の評価は非常に高く、1980年頃にはターンバックルの生産数量で日本一を達成しました。また、その後、アイボルトを型打ちで量産している会社が存在しないことに着目し、型打ちでのアイボトルの生産に注力した結果、「アイボルト=浪速鉄工」との評価を確立、現在では国内販売シェア55%を誇るNo.1企業として国内の製造業、建設業のものづくりを支えています。
【図1】当社製品(左からアイボトル、アイナット、ロットボルト、ターンバックル)
(※1)エアーハンマーは鍛造における製造方法の一種で、伸ばし作業や荒打ち作業を用いて複雑な形状の鍛造品をつくり出すことが可能です。打撃数に応じて柔軟な加工が可能である一方で、熟練した高い加工技術を必要とする製造方法でもあります。当社では、0.5t ~ 5tの大型エアーハンマーの合計6台保有しており、14gから400kgまでの鍛造品に対応できる生産体制を確立しています。
アイボルトは金型、大型の構造部材、コンクリート二次製品などの重量物を吊り上げるために使用されるボルトで、使用中にアイボルトが破損した場合、大事故に結びつく恐れがあるため、重要保安部品として日本工業規格(JIS)でその仕様が詳細に取り決められています。また、アイボルトの使用方法についても、厳格な取り決めがあり、【図2】にあるように、垂直吊りもしくは45度吊りでの使用が絶対であり、横吊りや引き起こし作業での使用は、ボルトの付け根に負荷がかかり過ぎて折れる危険性が高まるため、厳禁となっています。しかし、実際には、多くの工場や建設・土木現場で、アイボルトが横吊りや引き起こし作業に使用されており、毎年、多くの事故が発生、報告されています。
そのような事故を無くすべく、重量物の横吊り、斜め吊り、引き起こし作業での使用を前提として、当社が開発したのがマルチアイボルトです。マルチアイボルトでは、JISの規格に基づくアイボルトの3倍の使用荷重を実現している他、取付けボルト軸を中心に360度回転し、U字環状リング帯が吊り上げ方向に180度可動する構造【図3】とすることで、横吊り、斜め吊り、引き起こし作業でも安全に使用できるようになっています。また、マルチアイボルトの基本的な構造および仕様はそのままに、任意のボディーサイズ、ねじのサイズおよび長さが選択でき、1個からの特別仕様にも対応できるようにしたのが、マルチアイボルトハイブリッドになります。
【図2】アイボルトの使用方法のイメージ
【図3】マルチアイボルトの構造
次回のコラム : 弊社の自在形アイボルト・回転アイボルトについてについてご紹介します。
2022年2月25日 6:00 PM