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ターンバックル技術資料(規格解説)③
7 長尺用ターンバックルの規格化
ターンバックルの呼び長さが、 丸鋼素材の定尺寸法を大きく上回る長尺品の需要が高まってきたことから、新たに長尺用ターンバックルの規格が設けられました。
これにより、長いスパンに使用するターンバックルについても、JIS規格品をご利用いただけるようになりました。
①長尺用ターンバックルの構成
長尺用ターンバックルは、1本の左ねじ羽子板ボルトと、右ねじ両ねじボルトと右ねじ羽子板ボルトを接続用ターンバックル胴でつないだ1本の右ねじ羽子板ボルトを1個のターンバックル胴でつないだものです。
②長尺用ターンバックルの特徴
長尺用ターンバックルは、2個のターンバックル胴を利用します。
1個は通常の締め付け用に使用するターンバックル胴であり、 ねじは左ねじと右ねじを切っています。
もうひとつのターンバックル胴は、 接続用ターンバックル胴として、 新しくJIS A5541 (建築用ターンバックル胴)に規定された両端に右ねじが切られている長尺用ターンバックル専用に規格化された胴です。
通常の締付け用のターンバックル胴を長尺の接続用に利用した場合、ターンバックル胴をいくら回しても、接続部分が共回りを起こしターンバックルに張力が伝わりません。
今回規格化された接続用ターンバックル胴は、両端に右ねじが切ってあることから、 締付け用のターンバックル胴を締め付け側に回すと、接続用ターンバックル胴も締め付けられることから
供回りはせず、確実に張力を伝えることができます。 なお、 長尺用ターンバックルは、寸法が長いことから、運搬の都合上でセットされずに納品されることがほとんどです。
長尺用ターンバックルには必ず組立手順書がつけられています。
右ねじ両ねじボルトと右ねじ羽子板ボルトを接続用ターンバックル胴にはめ込む場合は、供回りを防ぐためにねじの回転が止まるまではめ込むことが規定されています。
③接続用ターンバックル胴
長尺用ターンバックルの接続用胴として、 接続用ターンバックル胴がJIS A5541 (建築用ターンバックル胴) に新たに規格化されました。
割枠式とパイプ式が規格化されており、 両タイプ共に寸法や質量の規定は一般の締付け用のターンバックル胴と同じです。
左右に切られているねじは、 接続用ターンバックル胴は右ねじ 右ねじになっています。
製品には接続用ターンバックル胴と分かるように “J”の記号が入ります。
次回のコラム : ターンバックルの常識を覆した『リターンバックル』についてご紹介します。
2021年5月25日 6:00 PM