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ターンバックルの常識を覆した『リターンバックル』

従来のターンバックルは、胴体枠の両端に、一端には右ねじ、他端には左ねじのねじ棒がねじ込まれるねじ山が形成されて、その胴体枠を回転させて、両端のねじ棒の位置を近接又は離間させる緊張具である。前記ねじ棒の端部には鉤爪等の係止部が形成され、その係止部は張力を調整される筋材であるチェーンやワイヤーに係止される。上記のターンバックルは、両端の鉤爪を引き寄せる長さが長くできる利点がある反面、引き寄せる長さが長い場合には、ターンバックルの回転回数が多くなり張力調整に手間がかかると共に、筋材の弛みが少ない状態においては、胴体枠と筋材が近接しているため胴体枠を回転させにくいという課題があった。

リターンバックルは、軸体の端部から締め込まれるナットは、軸体フックとパイプフックを結ぶ仮想線から離間され、接近させる物から離間した作業しやすい状態において締め込み可能となり、ラチェットレンチや電動トルクレンチ等の工具を使っても締め込み作業が容易となる。軸体とパイプフックとの間の隙間が小さい幅である場合には、パイプフックが軸体に引っ掛からず、軸体に沿ってパイプフックをスライドさせる作業が容易である。この場合でも、電動トルクレンチでナットを締め込む作業が円滑に行える。また、軸体を単独で、又は、パイプフックと軸体を一体に把持して鉤爪部の先端の方向を定めて、チェーンのリンクや端部に環が形成されたワイヤー部材の環に、鉤爪部の先端を容易に差し込み引っ掛けることが可能となる。パイプフック内での軸体の傾きが小さい場合であっても、筋材を軸体フックとパイプフックとに引っ掛けた状態で、パイプフックを軸体フック側にスライドさせることにより、パイプフックの内側に形成された掛かり部が軸体のねじ山に引っ掛かり、パイプフックは一時的にロックされ保持された状態となる。そして、工具でナットを操作することなくパイプフックを弛みがない状態となるまでスライドさせ、指先でナットを回して予備締めをしてから、最後の締め込み段階のみで工具を使ってナットを締め込めばよく締め込み作業が効率的になる。勿論、指先で回転させる作業を省略してもよい。この場合でも、電動トルクレンチでナットを締め込む作業が円滑に行える。軸体フックである鉤爪部を環に差し込む際に、緊張具の軸体が筋材に干渉せず、弛みが少ない状態に張った筋材の中間にも、緊張具の軸体フックを引っ掛ける作業が容易になる。パイプフックを軸体フック側にスライドさせる際に、軸体フック側のパイプフック端部が前記軸体のねじ山に引っ掛からず、パイプフックを容易にスライドさせることが可能である。

 

次回のコラム : ターンバックルを電動工具で締めれる『リターンバックル』についてご紹介します。

2021年6月25日 6:00 PM

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